ネットテレビ局ABEMAが「編集者」を募集する理由【旧AbemaTV】

ABEMA 転職・求人
サイバーエージェント公表資料より

もう1ヵ月くらい前からですが、ABEMAが編集者を募集しています。ABEMAは苦戦しているとも言われますが、サイバーエージェントの社長でもある藤田さん肝いりですし、注目しているサービスでしたから、求人も見かけてすぐに目を通しました。

ABEMAの現状は?

ところでAbemaTVから4月11日に名前が変わったばかりのABEMAの現状はどのようなものなのでしょうか(変更はサービス名で、会社名は株式会社AbemaTVのままのようです)。

サイバーエージェントが4月22日に実施した20年1-3月期の決算発表会では、藤田社長が「WAU(Weekly Average User=1週間あたりの平均利用者数)が20~30%ほどベースアップした」と述べたそうです。

発表資料(下図)を見る限り、WAUは1300万くらいでしょうか。2016年のサービス開始時からWAU1,000万を目安としていたので、2020年にはいって安定してこのラインを超えるようになったようです。

また放送後の番組が見られる有料会員サービス「ABEMAプレミアム」の会員は67.6万人を突破しており、12月末までに会員100万人を目指すそうです。収益化はおそらくまだなのでしょうが、動画のストリーミング・オンデマンドサービスは成長余地もあるのではないでしょうか。

テレビ局がオウンドメディアを持つ理由

ABEMAの求人の内容をちょっと見てみると、どうやらABEMAの独自ニュースサイトABEMA TIMESの編集者ということです。そもそもメディア(映像)をやっている企業が持つ別のカタチのメディア(Webサイト)で編集するとは、どのようなものでしょうか。

実はここ数年、テレビ局がオウンドメディアを持つという事例が結構あります。たとえばテレビ朝日の「テレ朝POST」、フジテレビの「フジテレビュー!!」、テレビ東京の「テレ東プラス」(旧「読むテレ東」)などがそれにアタリます。

テレビ局がそうしたメディアを持つのは当然です。テレビ番組は「コンテンツ」(ネタ)の宝庫。多くの新興ニュースメディア、エンタメサイトが、テレビ番組での芸能人の発言やそこで明かされた事実などをネタに記事にしてPVを稼ぎまくっています。テレビ局としてみれば、「他人のふんどしで稼ぎやがって」といったところでしょう。

テレビ局のオウンドメディアそれぞれを精読したわけではないのですが、おそらくはほとんど番組オリジンの記事をつくっているのでしょう。番組の紹介、いわゆる番宣になりますから。

おそらくABEMA TIMESもそうした位置づけなのではないかと思われます。ただ、ちょっと見ると、アメブロの記事紹介もあるようです。このあたりはポータルサイトのLivedoorがLivedoorブログの記事を紹介するのと同じですね。自社サービスでコンテンツの数と種類が豊富にできるのだから、そりゃやるでしょう。

ABEMAの求人内容は?

求人内容を具体的に見ていきます。Wantedlyにも出ていますが、サイバーのサイト内(リンク切れ)にも当然出ています。

まず「仕事内容」。

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【仕事内容】
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基本的には、担当番組を持ち、番組のプロデューサーと連携をして番組のポイントとなる箇所を記事化していきますが、番組の事前情報や出演者へのインタビュー、その他にも出演者のSNSをチェックして記事にすることもあります。

「AbemaTV」では、ニュース、スポーツなどの生放送コンテンツから、オリジナルのドラマや恋愛リアリティーショー、アニメ、バラエティまで、様々なジャンルの番組を提供しているため、「AbemaTIMES」でも幅広いジャンルの情報を取り扱います。

番組を割り振られて、宣伝になるよう紹介するようですね。「編集者」であって「ライター」ではないので、実際には自分で書くのではなく、外部のライターさんに振って書いてもらうのかなとも思いましたが、そのあたりはどうなのでしょうか。

そして必須の条件もあります。

【必要経験】
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・新聞社、出版社、WEB系情報メディアサイトでの、編集者経験がある方

このあたりはまあ当然の内容でしょうね。次に歓迎するスキルも出ています。

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【歓迎スキル】
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・集客力の高い記事を生み出せる力
・記事の品質を定義することが出来る力
・高品質な記事が求められる媒体での編集経験
・PV数やリンク先への送客数等の定量目標に対してコミットした経験
・編集長、副編集長経験者
・ニュースやエンターテイメント分野の知識が豊富
・即時性が求められる場面で、臨機応変な対応ができる力

読まれる(PVが稼げる)記事を間違いなくスピーディーに作れる。このあたりも何となくイメージがつきます。

「求める人物像」は……

【こんな方を求めています!】
・世の中からの注目を集める、インパクトのある記事を生み出すことに対して、熱量が高く、チャレンジをし続けたいと思っている方
・AbemaTVの事業成長に貢献したいという気概がある方
・PV数等の目標数値達成に対して、執着心が強い方

「目標数値達成に対して、執着心が強い方」というあたり、さすがサイバー、いやさすがIT企業といった感じでしょうか。

採用の要件、たとえばギャラなどはWantedlyには出ていません。しかし某求人サイトには

インターネットテレビ局の情報ニュースサイト / 企画・編集担当 年収: 400万 ~ 800万

という案件が出ていますので、おそらくこれのことでしょう。ただ求人サイトによって出している額が異なる可能性もありますので、すべてこの条件なのかどうかは分かりません。

テレビ番組とかエンタメとかが好きならいいのかも?

個人的には、サイバーエージェントという企業にもABEMAというサービスにも編集という仕事にも惹かれるのですが、テレビ局のオウンドメディアにはあまり関心を持てずにいます。

ネタを自分で発掘したり、どこに面白みを感じたかという個性を出したりできるなら別ですが、自分の想像の範囲では、それらが難しそうだからです。

ただテレビが好き、ネットが好き、エンタメが好き、という編集者さんなら楽しくお仕事ができるのではないでしょうか。もちろんKPIへの執着心が必要なので、大変だとは思いますが!

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