米メディア「アクシオス」が注目される理由──140万人がニュースを購読、売り上げ急成長

Axios コラム

メディア関係者であればおそらく耳にしたことがある「AXIOS」(アクシオス)。最近、東京新聞で編集長のインタビュー記事が掲載されていたので、注目のメディアということで情報をまとめておきたいと思います。

【概要】アクシオスとは 300字程度と短く分かりやすいニュースサイト

まずアクシオスの概要を確認しておきましょう。

創刊2017年1月
URLhttps://www.axios.com/
本社ワシントン近郊
出発点政治系ニュースサイト・Politico(ポリティコ)の設立メンバー3人が創刊。SNS時代、情報・ニュース過多の時代にふさわしいメディアをめざしている。
内容カテゴリーは政治&政策、世界、テクノロジー、エネルギー&環境、経済&ビジネス、科学、ヘルス、スポーツの大カテゴリーの中に様々ある(下画像参照)。なお経済&ビジネスの中に「メディア」という小カテゴリも存在。メディア関連のニュース配信はここで可能→Axios Media Trends
特徴1記事300字程度と短い。アクシオスとはギリシャ語で”worthy”(価値がある)という意味だそうです。
記者80人
規模毎朝配信するニュースレター(無料)は140万人が購読。
収益2020年の売上高は6000万ドル(前年比4割増)。半分以上はニュースレターの広告。広告主はCOMCASTやFacebookなど大手。
東京新聞記事などから作成
Axiosのカテゴリー(Sections)

上の表で参考にした記事はこちらです。

アメリカで注目集める新興ネットメディア「アクシオス」編集長に聞く強さの秘密<メディアと世界>(東京新聞)

情報過多の時代に注目が集まるメールニュースレター〜設立4年で売上5,800万ドルを見込むAXIOS(アクシオス)(COMEMO/市川裕康氏による)

どのくらい人気なのか

表でも触れましたが、2020年の売り上げは6000万ドルで、前年から4割増だそうです。市川氏の記事では、Webサイトのユニークビジターが1980万人(2020年8月)で、1年前には700万人だったので倍増以上の成長を見せています。

なぜ人気なのか

上で紹介した記事で考察されているとおり、今は複数のSNSなど、あらゆるチャネルでニュースが流れてくるようになっています。意識的に遮断しないと情報が多すぎるという中で、すべて遮断できるのはよほど勇気がある人(もしくは……)でしょう。となると、誰もが「必要な情報だけ欲しい、それも端的にまとめたヘッドラインだけ見せて欲しい」と思うものではないでしょうか。

アクシオスのニュースレターも、ヘッドラインだけ読めば概要が分かり、詳しく知りたければクリックして詳細を読めます。東京新聞のインタビューで編集長のニコラス・ジョンストン氏はこう話しています。

「情報過多のメディア環境では、いかによりスマートにより早く読んでもらうかが重要だ。親指を動かすだけで世界中の情報にアクセスできる時代に、人々は長い記事で要点を説明されても我慢できない。その意味で、われわれは読者の時間を尊重しているだけだ」

その方針の下、記者たちはスマホで1〜3分で読めるよう記事を執筆しているそうです。

なぜ分かりやすいのか

ただ「短ければいい」というわけではありません。分かりやすさを実現している理由は、その書き方にあるようです。ジョンストン編集長はこう話しています。

「読者にすれば、このニュースは何が新しくて、なぜ重要なのかが知りたい。だからわれわれの記事では2段落目で『なぜ重要なのか』というフレーズをよく使う。読者の反応も非常に良く、やりがいを感じる」

この2つのポイントを追い求めているわけです。

・何が新しいか
・なぜ重要なのか

市川氏のブログではこれについて、

「What’s News(ニュース性)」
「Why it matters(なぜそれが大事か)」

という視点でコンパクトにまとめられていると評しています。

ローカルメディアに進出

そのアクシオスですが、今年満を持して、「ローカルメディア」に進出したそうです。

ツイン・シティーズ=ミネアポリス・セントポール都市圏=(ミネソタ州)、タンパベイ(フロリダ州)、デモイン(アイオワ州)、シャーロット(ノースカロライナ州)の4都市に記者を2人ずつ置きました。今後、デンバー(コロラド州)でも始める予定です。またローカルニュースで収益を上げるノースカロライナ州のネットメディアも買収したそうです。

Axios Local

始めた理由について東京新聞はこう指摘しています。

広告収入の落ち込みで地方紙の廃刊が相次ぎ、必要不可欠な情報が得られない「ニュース砂漠」が社会問題化していることがある

収益モデルはやりながら見極めるそうですが、「ニュース砂漠を解決する方法を見つけられれば多くの都市に進出したい」(ジョンストン氏)とのこと。現状の4都市に関心はなくても、いずれ、なじみのある都市の情報が得られるようになるかもしれません。

メルマガという古くて新しいメディア

アクシオスの取り組みで面白いと思うのは、メルマガという古い手法が改めて使われて支持されていることです。ジョンストン編集長は前出のインタビューでこう話しています。

 「ニュースレターを届ける電子メールは40年以上前からある古い技術だが、現在のネットでは珍しく安全な場所だ。交流サイト(SNS)では悪質なニセ情報が飛び交っているが、迷惑メールはブロックできるし、受信箱の中から読みたいメールだけ読めばいい」

たしかにそのとおりですね。

SNSではフェイクニュースがたくさん流れていますし、いくら知人・友人がシェアしたものであっても聞きたくないネタ、信ぴょう性が疑われるニュースというものもあります。

その点、メルマガならGメールのフィルターは優秀ですし、読みたくなければ解除すればいいので、「信頼できるソースからの情報はたくさん受け取りたい」「ソースの信頼性はある程度自分で判断できる」という人にとっては、いいメディアなのかもしれません。

Axios
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