編集者がデザインやライティングもできたほうがいい理由

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編集者の仕事は主に企画をつくってライターさんやデザイナーさんに指示して作ってもらい、直してもらい、企画を完成させることです。具体的な執筆やデザインはそれぞれプロに任せてやってもらうのですが、とはいえ自分でもできたほうがいいと思います。

ライティング・執筆ができたほうがいい4つの理由

意外と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、編集者は自分で原稿を書かない・書けないという人もいます。そういう方は、いいライターさんを抱えていたり、ライターさんの育成や修正指示がうまかったりするので困らないんですね。

それでも自分で書けたほうがいい理由としては、まず「予算の都合」があります。予算が限られていて、いいライターさんにお願いできない場合、あまり上手ではないライターさんに書いてもらって直すのもいいのですが、直すのにかえって時間がかかったりしますし、原稿の長さによっては書いてしまったほうが早いと思います。

次に「納期の都合」です。低予算の企画ってお金だけではなく時間もなかったりします。最初の理由として「予算の都合」を挙げましたが、それとは別の状況として、あまり時間がない時にミスや修正依頼が入るということがあります。今日中に納品・公開しなければいけないのに、夜でライターさんがつからまらないということはあり得ます。その時、単なる修正ならいいのですが、元の原稿にはない要素を追加(加筆)しなければいけないこともあるので、自分で書けたほうがいいと思います。

そして「ライターからのリスペクトを得る」という意味でも、編集者が書けたほうがいいと思います。サッカーにたとえてみますと、キッカーに「コーナーキックを直接曲げてゴールに入れろ」という指示を、自分で蹴って入れられる人が出すのと、自分では出せない人が出すのとでは、受け手の心の動き方は異なると思います。カンタンにいえば「お前がやってみろ」という反論を許さないということです。

あと、これは補足的な理由ですが、編集者も自ら発信しなければいけない時代なので、自分で原稿を書けたほうがいいと思います。ブログでもSNSでも何でもいいのですが、編集者がバイネームで(自分の名前を出して)文章を出す時、自分の言葉で最初から書いたほうがいいと思います。自分で書いたほうが説得力が出るとはいいませんが、「自分で書くとこだわりが込められる」からです。

デザインができたほうがいい理由

デザインもある程度できたほうがいいでしょう。

この「デザインができる」ということの意味は「Adobeのソフトが使える」ということではありません。「デザインのルールやセオリーが分かったほうがいい」ということです。それが分かっていれば、デザイン的にありえない配色やレイアウトの指示をデザイナーに出さずに済みます。

ありえない指示を受けたデザイナーさんは困るだけです。たしかに優秀なデザイナーさんの中には、そんな指示の中に「本来実現すべきポイント」を見抜いて形にしてくれますが、皆が皆そんなデザイナーさんではありません(Adobeのソフトが使えるだけでデザイナーを名乗っている人は少なくありませんし)。これに付随した理由で、レイアウト指示のラフである程度ビジュライズしたものを渡せるということもあるでしょう。

デザインができることのメリットとして、「図表要素がうまくまとめられる」ことも挙げたいと思います。書籍でもWebメディアの記事でも何でもいいのですが、単に文章・テキストだけで構成するとメリハリがないとか、分かりにくいとかいうことがあります。その時に、「ここの部分の説明はグラフにしよう」「この要素はリスト化して表を組んだほうがいい」ということが分かります。自分できれいな円グラフや表組みを作れなくても。「作れることが分かる」で十分です。

そして、Adobeのソフトについても触れておきましょう。(デザイナーではない)編集者がAdobeのデザイン系ソフトを使えること、使うことについては弊害もあるでしょう。しかし筆者は「使えたほうがいい」と思います。たとえばSNSで発信するのにつけるちょっとした図版が自分で作れますし、上で述べましたがビジュアライズしたラフ・作成指示書が作れます。時間がない時など、デザイナーさんに頼まなくても修正ができます。そういうメリットはあります。

ただ、“弊害もあるでしょうが“と書いたように注意すべきポイントではあります。あくまでデザインをするのはデザイナー。Adobeのソフトが使えるからといって、編集者がいっぱしのデザイナーをきどっても、デザイナーさんが気を悪くするだけです。

狭義の編集者を目指すか広義の編集者になるか

以上、ある程度自分で書くこともデザインもできると思っている筆者・管理人の私見です。正解などなく、異論があるどころか意見は皆さん異なると思います。

これまで私は、このブログの「オピニオン」カテゴリに、編集者の仕事についていろいろ書いてきました。そちらでも繰り返していると思いますが、「編集者がすることの定義」は一つではありません。それぞれが自分なりの理想の編集者像を持って、それを目指しています。

ですから、たとえば「俺は自分では文章を書けないが、考える企画は最高だ」「デザインはできないが、いいデザイナーにいい気持ちで働いてもらうための環境づくりには自信がある」という編集者がいてもいいわけです。

しかし、何か突出した才能・自信がない編集者、駆け出しの編集者、マルチな才能を持ちたい・能力を発揮したい編集者は、自分で書いたりデザインしたりもできるようになっておいたほうがいいと私は思います。

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