編集者の違い・編集者の仕事とは 雑誌・書籍・漫画・ウェブ……

編集者, Andrew Neel オピニオン
© Andrew Neel

最近は「編集者 求人」と検索するとYouTubeの動画エディター募集ばかり出てきますが、「動画エディターではない編集者」といってもいろいろな種類が存在します。思いつくだけでも、雑誌編集者、書籍編集者、漫画編集者、ウェブ編集者……実際にその仕事に就きたいという人がイメージできるように、その違いを整理してみたいと思います。今回はこれらに分類してみました。

雑誌編集者
漫画編集者
書籍編集者
Web編集者

雑誌編集者──出版社所属と編プロ所属がいる

毎月または毎週発行する雑誌の企画を考え、ライターに原稿を発注します。筆者が過去に所属した雑誌では、編集記者が基本だったので、筆者(管理人)は自分で原稿を書いていましたが、一般にライターと編集者は別です。

雑誌は書籍よりも写真・ビジュアルが重視されるので、ライターだけでなくカメラマン(フォトグラファー)のネットワークもあります。

雑誌編集者にも大きく2種あって、ひとつは版元(出版社)所属の社員です。大手になるほど高給で、マンガやドラマなどに出てくる編集者はだいたいこれです。もうひとつは、編集プロダクション所属の編集者です。雑誌を発行する出版社から業務委託を折単位や雑誌まるごとなどの制作を請け負ってつくります。出版社ほど給料は高くありませんが、著名媒体の編集者として経験を積むことはできます。

書籍編集者──文芸とビジネス書では異なる

次に書籍編集者ですが、見出しに書いたとおり文芸とビジネス書では異なります。一般に文芸では、著者は作家・センセイと呼ばれます。典型的なイメージでは、「締め切りを守らない大先生に書かせるためにホテルに缶詰めする」「大先生を銀座のクラブで接待」という感じでしょうか。今はまったくないとまではいいませんが、そうしたケースはかなり減っているようです。

ビジネス書ではどうかというと、こちらも作家・先生と呼ばれる大家もいますが、文芸の作家との付き合いと比べると、ビジネスライクな付き合いのほうが多いようです。

企画は編集者側が提案することもありますが、筆者が自分で考えて出版社・編集者に売り込むことも少なくありません。というか、売れっ子でない限りは筆者が企画を持ち込むことが多いのではないでしょうか。

雑誌は毎週、毎月など新しいものが出てきますが、書籍は末永く売ってベストセラーを生み出せます。編集者は企画を考え、その企画にあった筆者を常に探しています。そういうアンテナもなければ、売れっ子編集者にはなれません。

漫画編集者──漫画家を志した人も少なくない

マンガ誌を発行している大手出版社の社員で、漫画家を担当して企画を一緒に考えたり、取材をセッティングしたりします。漫画家と一緒に作品をつくります。漫画家を目指したがなれなかったという人もいて、そうした人ほど漫画家をリスペクトして大切に付き合う傾向にあるとも言われます。

雑誌の連載作家・作品は担当が時々替わることがあります。編集長・副編集長の指示で担当は変わり、ずっと同じ漫画家、同じ作品を編集者として担当できるわけではありません。

新人漫画家の担当は、作品の持ち込みを最初に受けた編集者が担当します。持ち込みしたい漫画家の電話を受けた人が担当編集者になります。

『バクマン』など漫画家が登場する作品もあって、ここにいろんなタイプの編集者が登場するので参考になるかもしれません。

ウェブ編集者──SEOなどの知識も必要

そしてウェブ編集者です。ウェブメディアの企画を考え、ライターさんに発注して記事をつくります。

雑誌編集者との違いは、「企画が載るのが紙かWebかだけでは?」と思われそうですが、そうではありません。

まずウェブ編集者は、Webならではの知識が必要です。たとえばSEO。雑誌編集者も、読者に響きそうな言葉やキャッチ、企画を考えますが、Web編集者の場合はよりテクニカルに、Google AnalyticsやSearch Consoleが触れることが求められます。

ただ、SNSに関する知識や経験は、最近では雑誌もオンライン展開をしていることが多いので、雑誌編集者とWeb編集者では大差ないこともあるのではないかと思います。

他にも、予算の違いがあります。近年、雑誌の休刊が相次ぎ、売れ行きも平均では下がっていますから、雑誌の制作費も全体としては下がる傾向にありますし、逆にWebメディアは原稿料を一昔前と比べれば上げているので、差は小さくなってきているかもしれません。

しかし、一般には雑誌のほうが大きな予算をつかって企画ができることが多いと考えられます。

オールラウンダー編集者・専門媒体編集者

どう分類するのがいいか分かりませんが、“編集のなんでも屋”とでも言えばいいでしょうか。特定の媒体に限らずあらゆる媒体にコンテンツを出す編集者もいます。

主に編集プロダクションなどに所属して、ページ単位で雑誌を請け負ったり、Webメディアに記事を出したり、書籍の構成を手伝ったりといった感じでしょうか(その編プロのWebサイトを見れば、どんな仕事をしているか分かると思います)。

このほかにも、学校案内・会社案内を専門につくっている編集者もいます。社内報だけ、IRレポートだけなど、専門性の高い冊子・媒体をつくっている人もいます。この場合も、たいていはその編プロがクライアントから継続して請け負っていることが多いです。案内モノや社内報、IRレポートなどは定期的に刊行されるので、同じ編プロに頼んだほうが、毎回新たに説明しなくていいので楽だからです。

これらはあくまで一つのタイプだが……

以上、雑誌・書籍・漫画・ウェブ・その他に分類して編集者の仕事や傾向をまとめてみました。言うまでもないことですが、“傾向”に当てはまらない編集者はたくさんいます。むしろそういう編集者のほうが仕事がデキるのではないかとすら思います。

「自分は雑誌編集者だからこうしなければいけない」「漫画編集者の仕事はここまで」「書籍編集者はこんなことはしない」「ウェブ編集者だから印刷物はつくらない」……このように自分の活動やアイデアの範囲・枠を狭めてしまう必要はありません(理想論ではありますが、企画と予算、目的にあった媒体を選べばいいですし)。

またSEOがまったく分からないけどウェブメディアで活躍しているという編集者もいるでしょうし、原稿は直せないけど企画のアイデアが抜群という編集者もいるでしょう。ライターを育てるのがうまい編集者もいれば、営業がうまく予算の獲得、クライアントの満足度アップに貢献している編集者もいます。「編集者」といってもヒトそれぞれです。

今回まとめたものは、業界未経験の人にざっくり把握してもらうための、“傾向”です。編集者として仕事をするようになったら、傾向にとらわれずに、自由に自分なりの理想の編集者像を追い求めるとよいと思います。

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