ユーザベースグループ入りしたINITIAL(イニシャル。旧ジャパンベンチャーリサーチ)がスタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」の編集長を募集しています。どんな会社のどんなメディアで、編集長はどんな人材を求めているのでしょうか。
INITIALとはどんなサイト? ジャパンベンチャーリサーチとは?
もともと設立は2011年。社名がジャパンベンチャーリサーチ、サービス名はentrepediaだったといいます。これら旧名称から分かるように、「スタートアップ情報のインフラ」的な位置づけのメディアと考えていいでしょう。
ジャパンベンチャーリサーチをユーザベースが買収、グループ入りしたのは2017年1月でした。サイトの紹介によると、翌2018年から、映像を含めたコンテンツ配信の「ami(アミ)」 の開発、運営を開始していますが、これは資金調達などのフェーズに至ってないスタートアップも含め、多くの起業家が出演したとあります。若手経営者のインタビューコンテンツなどがあったものと思われます。
そして、今のINITIALの位置づけはこうあります。
2019年11月、amiで取り組んできた「スタートアップのリアルを伝えるコンテンツの力」。entrepediaで培ってきた「信頼性の高いデータの力」。この2つの力を組み合わせ、INITIALとして生まれ変わりました。
INITIAL(サイト)を見ると、スタートアップの経営者やVC関係者が参考になりそうな読み物やデータ、ランキング、情報などが掲載されています。
ユーザベースグループらしさ SPEEDAのスタートアップ版?
INITIAL(サイト)を見ると、デザインはどこかNewsPicksと似たテイストを感じますが(同じグループですから統一しているのかもしれません)、似ているのは見た目だけではありません。INITIALがそもそも、ユーザベースが提供している経済情報サービスの「SPEEDA」のスタートアップ版のように思えます。
ユーザベースは、一般にはNewsPicksを立ち上げた企業として知られていますが、もともとSPEEDAを開発・運営している企業です。SPEEDAは、あらゆる業界や企業のデータベースサービスです。リサーチャーの調査がまとめられており、企業や投資家がマーケティングや投資判断、ビジネス上のアライアンスなどを検討する時に参考にするサービスです。

SPEEDA内にログインして見たわけではありませんが、競合やBloomebergやトムソン・ロイターなどが競合にあたるサービスでしょう。
「編集長」求人の詳細は?
求人情報にある仕事内容にはこうあります。
INITIALの編集長候補として、スタートアップに関連したレポート記事や、出演いただいた起業家インタビューをメディア化し、広く世の中に発信していく役割を担っていただきます。また、INITIALでどんな内容を発信していくかのディレクションや、PRの仕方などにも全般的に携わっていただくことを期待しています。
単なるニュースメディアではなく、レポートを書いたりインタビューを行ったりしつつ、編集長としてディレクション・舵取りをすることになるようです。PRにも携わるとあるように、ベンチャー・スタートアップらしく、いろいろなことをさせてもらえそうです。
なお待遇などは求人情報のページには出ていません。
どんな人材を求めているのか?
編集長クラスの求人ですから、似たような経済メディアでデスクや副編集長、編集長などを数年経験した人を求めていると推測します。
今後の方向性は?ベンチマークは?
新たな人材を獲得して、メディア運営・育成を本格化するわけですが、ベンチマークになるのは、たとえばWIREDやBusinessInsider、Forbesなどではないでしょうか。これらのメディアは基本的に読み物としてのコンテンツ作成が中心で、INITIALはデータベース的な役割も担うわけですが、基本的にそれはリサーチャーが担当するのではないかと思います。
スタートアップの情報が掲載されたデータベースもあって読みものもあるということで、CrunchBaseのようなサービスを目指しているのかもしれません。
以上、取材したわけではないので多分に推測が含まれていますが、当たらずとも遠からずではないでしょうか。こうした分野、スタートアップ界隈の取材やコンテンツ作成に興味がある経験者は話を聞いてみてもいいかもしれません。