編集者は編集以外の職種や出版・制作・メディア運営以外の業種に転職できるという話(【異業種転職】なぜ編集経験が「企業広報」に活かせるのか──GMOグループが「広報」募集中【未経験可】)を書きましたが、VCに転職したという方のインタビューを読みました。
ログミーさんの主催イベントで、現場で制作を続けるか、マネジメントに行くか クリエイティブ職が直面する、キャリアの分水嶺 現場に生きるか、マネジメントに生きるか 元LINE・桜川和樹氏に聞く、40代以降のクリエイティブキャリアというものです。
インタビュイーの桜川さんは、LINEでNaverまとめの編集長をやったり、LINEニュースなどに関わったりした後、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインに転じたそうです。
経験と年齢を重ねた編集者なら共感フラグ立ちまくり
全三回のインタビュー書き起こしですが、編集経験者なら「分かる分かる」という内容が盛り沢山だったので、備忘も兼ねて紹介・引用しておきたいと思います。
大きな「プラットフォーム作り」か、細部の「クリエイティブ制作」かの選択という話
まず、LINEくらいの規模のサービスはもはやプラットフォームなので、たとえ編集者が特集コンテンツを企画して、「すごくウケたね」「PVもいっぱい出たね」となったとしても「スポットでしかない」という感覚だとのこと。
さらに、「街を作っているというか政治をやる感覚に近」いといい、「あの規模からさらに成長させるためには、どこに公園を置いてどこに道路を通して、どういう企業を誘致するかみたいなことを考えないといけない」といいます。
ただそこで、桜川さんは「どうしても公園のトイレの便器のデザインをどうするかとか、そういうことが気になっちゃう性質だ」といいます。
そして、「街を作り、大きく局面を考えていくのか、ディテールのクリエイティブにこだわっていくのかですごく悩んで、とりあえずこのプラットフォームの仕事は自分に向いていない」と思ったそうです。
「アウトプットを決めるのはマインド1割、技術8割、センス1割」という話
人のアウトプットを決めるものが「マインド1割、技術8割、センス1割」だという桜川さんですが、たとえ技術が8割を占めるとはいっても、「たったの1割のマインドがないと技術が身につかないし、技術が積み重なっていかないとセンスなんて発揮できない」とも言います。
その上で、LINEで仕事と続けなかったことについて「たぶんマインドが動かなかったんですよね。街を作りたいとはあまり思えなかったというのが、苦しい原因の大きいポイントだったんじゃないか」と振り返っています。
編集プロダクションで40代とかになるとこれ以上給料を払えないから、わざと独立させるという話
これは本当かどうか知りませんが、妙に現実味があるというか納得してしまいました。
クリエイティブ職が持つスキルやエッセンスにはニーズがあるという話
これは当然でしょう。編集者をはじめとしたクリエイティブは、別に本や雑誌、ウェブメディアの制作・運用など以外でも力を発揮できます。いろんな業種、職種、環境で力を発揮できる。
桜川さんも「僕みたいに編集者がVCで情報を発信したり、結局クリエイティブを通して、人の心を人に伝えるというコアはあまり変わらないので、PRとか広報のニーズはたぶんすごくある」と話しています。
いや、力を発揮できるのは、「クリエイティブ職が」というか、「クリエイティブな人が」なのですが、経営者側がそれを理解(評価)してクリエイティブな人材を採用、活用できていない側面もあるな、と思う今日この頃です。
桜川さんのお話面白いので、編集をやっていて将来が不安な若手、既にすぐ目の前が不安な中堅は読んでみるといいと思います(全三回)。
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現場で制作を続けるか、マネジメントに行くか クリエイティブ職が直面する、キャリアの分水嶺 現場に生きるか、マネジメントに生きるか 元LINE・桜川和樹氏に聞く、40代以降のクリエイティブキャリア