【常識?非常識?】編集者と著作権──キン肉マン作者によるスクショ止めて問題と時代の流れ

週プレNEWSより オピニオン
週プレNEWSより

キン肉マンの作者であるゆでたまご先生が、漫画の内容をネットにアップしないでほしいと呼びかけています。当たり前のことですが無断転載は著作権を侵害しているのでダメですが、この呼びかけで感じたポイント・問題は2つあります。

問題1 著作権の教育が足りていない 編集者でも「引用」について知らないことも

まず著作権に対する理解が全然広がっていないことが問題だと思います。一般の方はもちろんのこと、意外とメディアに勤めている編集者でも著作権がどういうものか、引用とはどういうものかを詳しく知らなかったりします。

ここでは「著作権とは」「引用とは」の解説はしませんが、ここまでカンタンにコンテンツの転載ができるようになった現代、著作権に関する教育は学校や職場でやるべきなのかもしれません。

職場といったのが何もメディアだけではありません。一般の企業に勤めている人が資料や広告などで勝手にイラストや写真などのコンテンツを使ったりすることもあると思いますので、基礎的な社会人教育として必須ではないかと思いました。

問題2 著作権の概念が古くなっているのかも 技術やライフスタイルとあっていない

もう一つ思ったのは、著作権の考え方が時代に即していないのではないか、ということです。

ゆでたまご先生のメッセージにもありましたが、1980年代は少年たちが本屋さんに駆け込みジャンプを買ったり読んだりして学校での話題についていくのが必死だった。そして今はネットでカンタンに内容を知ることができるようになっている。

繰り返しますが転載はいけないことだと思います。法律に違反しているからダメだし、道義的にもダメだと思う。フリーライダーはクリエーターのビジネスチャンスを侵害していると思います。

しかし、ノスタルジックに「昔はこうだった」と昔から活躍している先生に言われても、今の若い人からしたら「もうそんな時代ではないよ」ということなのかもしれません。若い人たちが皆そう思っているわけではないでしょう。

制限の難しさ コピーコントロールCDだって普及しなかった

ですが、デジタルはコピーされ拡散されるもの。コンテンツの価格はゼロに近づいていくもの。であれば、それを「おかしい」と規制したところで、抑えきれるはずがない。コピーコントロールCDだって全然普及しませんでした。「そういう時代だから、じゃあこれからはどうしよう」と考えるべきなのかもしれません。それが正しいことかどうかは分かりませんが。

TVでも月9を見る人が減ったとよく言われます。それと同じでライフスタイルや話題になるものは多様になりました。昔が、皆が同じものを見て同じ話題を楽しむ時代だったとするなら、今は趣味や好みは人それぞれ多様なものだという前提で、話題にする内容もそれぞれ異なるのが当たり前の時代です。それはそれで、評価できる側面もあります。

「ミッキーマウス延命法」著作権を延長しまくる国もある

デジタル化が進みコンテンツがカンタンに国境を超えるようになったため、著作権について考えるときは、日本国内のことだけ見ていればいい時代ではなくなっています。ミッキーマウスの著作権を守るために著作権延長法をつくって引っ張りまくっている国もあれば、事あるごとに粗悪な類似デザイン品をいけしゃあしゃあと生み出す国もあります。日本だって海外のデザインやコンテンツをパクった事例がないとはいいません。

こと著作権の問題は根が深く、こうすればいいという解決策はありません。だからといって、コンテンツの作り手である編集者やライターがこの問題と向き合うことを放棄してはいけないはずです。

あらためて、自分のこととして考えて、もし自社、所属編集部、関係するメディアで著作権や引用の考え方についての知識が不足している人がいるようなら、その教育から始めるといいのではないかと思いました。

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