「35歳の壁なんてない!」中年編集者の異業種・異業界への転職が求められている

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まぽさん / 写真AC

dodaが「転職市場予測2021下半期」を発表しました。関連記事でdoda編集長の喜多恭子氏が、「IT・Webを筆頭に、製造、金融、医療、化学・素材などの業界で求人数の増加が見込まれ」るとした上で、職種として、ITエンジニアや化学エンジニア、医療や金融の専門職と並んで「Webクリエイティブ」を挙げていました。

これから編集者の転職市場は活発になるのでしょうか。

コロナ禍で求人が増えている理由

まずdodaが下半期に求人数が増えると指摘している背景を確認しておきましょう。そこにあるのは「企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進」だそうです。

コロナウイルス感染拡大の前から企業のDXの必要性は指摘されていました。しかしコロナ禍でリモーートワークが広がりるなど労働・生活環境は大きく変わりました。こうした中で、ビジネスの非対面化・オンライン化を急がなければいけなくなったということでしょう。

コロナによるリストラ、失職の憂き目にあった人もいるでしょうが、逆にコロナ時代に適応した組織、サービス、商品づくりをするために必要な人材は、以前よりよい環境を求められるようになったようです。

しかしここで思うのは「それは若い人だけではないの?」ということですが、その辺はどうなのでしょうか。

「転職35歳限界説」は過去の話

そもそも中高年の転職について語るとき、必ず指摘されるのが「転職35歳限界説」でした。また「転職回数は2~3回まで」「離職期間3ヵ月以上たっていないこと」というものもあります。

ただそれは既に過去のことになっているようです。エンワールド・ジャパンの水野歩・事業開発部長は、マイナビの取材に対し、そうした風潮が過去のものになったことを示唆。理由として、「日本国内の労働力人口の変化、簡単に言うと人口減少による影響」を挙げています。

そして、「若い人材だけを採用するのは難しいので、30代後半や40代前半も含めて検討する傾向が企業側に広がって」いると指摘、「この結果、40代半ばまでのミドル人材の採用市場が活発になり、採用されるケースも珍しくありません」と明言しています。

ただしこの後、「ただ40代後半になると転職への難易度が高まり、50代になると求人数自体が大幅に減少します」と話している点も触れておかなければいけないでしょう。

やはり40代後半以降はなかなか難しいようです。

とはいえ、「ただ今後は分かりません。すぐではないでしょうが、採用される方の年齢幅が更に広くなる可能性はあると思います」とも話しています。

年齢をあまり気にする必要がなくなってきているのは確かなようです。

どんな業界・企業への転職を考えればいいのか

こうした中で、編集者が転職先や(フリーランスの)就職先を考えるときに、どういった業界・企業が考えられるのでしょうか。

筆者個人は、編集者という職種・ジャンルにこだわりたいのであれば、何もメディアにこだわる必要はないように思います。ここでいうメディアとは、雑誌や書籍、一般消費者・読者に向けたWEBメディアを指しています。

というのも、メディア企業や制作会社でなくとも仕事で編集・発信はできます。社外に発信するメディアでなくとも、大企業・大きな企業グループの社内報をつくる部署に行くというのも一つでしょう。大きな組織になれば、社内報(ウェブを含む)ですら、ちょっとした一般WEBメディアよりもPVを稼ぐのではないでしょうか。

組織が大きくなると、社員同士のコミュニケーションを図ることも難しくなります。どんな社員がほかにいるのかなかなか把握しづらいものです。そこで、社内のコミュニケーションを円滑にする情報の収集・選択・編集などは、編集者が得意とする領域です。

そうした行為をしたうえで、社外に発信するなら、それは広報・PRであり、IRでしょう。一般に総務部門にありがちなそうした職種も、クリエイティブな編集者が活躍できるフィールドです。

このあたりについては、過去に「メディア企業以外に編集者が転職?──ユニクロ求人に「必要な経験:広報、記者、編集者など」とある意味」という記事や、「【異業種転職】なぜ編集経験が「企業広報」に活かせるのか──GMOグループが「広報」募集中【未経験可】」という記事を書きました。

(なお、もちろんメディアへの転職にこだわりつづけるのもいいと思います。ただ、深い考えなく「編集者はメディアか制作会社にいるものだ」と考えてきたなら、メディア企業にいることが目的なのか、編集者でいたい(面白い企画を実現したい)のか、考えてもいいように思います)

情報過多の時代だからこそ、取捨選択できる編集者は重要

編集者(ライターも)は、「何を伝えるべきか」「どう伝えたら面白いか」を考え、実行することに長けています。企画を考え、取材もでき、情報を取捨選択し、ライターやフォトグラファーという関係者を動かし、効果的な発信手段も考え、企画を実現させるチカラがあります。

誰もがSNSを使い、個人も情報発信をする情報過多の時代です。編集者としての能力や経験値がある人は、どこででも力を発揮できるでしょう。

このように考えると、今後、35歳はおろか40代以上の中年を含む編集者の求人が増えても決しておかしくないと筆者は思います。

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