『鬼滅の刃』担当編集者が座談会──集英社の新卒採用企画、「漫画編集」志望者以外も参考になる

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© 吾峠呼世晴 / 集英社

集英社の2022年度新卒採用ページが『鬼滅の刃』とのタイアップ企画のような形で掲載されています。まだコンテンツはあまりないのですが、歴代担当編集(のうち3人)による鼎談(座談会)はとても面白く、漫画編集者、集英社への入社を目指していない人にも参考になること間違いありません。

『鬼滅の刃』と集英社|集英社 2022年度定期採用情報
集英社 2022年度定期採用情報です。会社紹介、社員紹介、仕事紹介ほか各種情報を公開しています。

集英社はどんな会社か?

社名は「英知を集める」という意味を持つという集英社。創業は1926年ですが、8月なので昭和元年となる前、大正15年に起こされたことになります。基本情報は次の通りです(集英社Webサイトより)。

創業1926年8月設立。
1947年合資会社。
1949年株式会社となる。 集英社小史
事業内容雑誌(定期刊行39誌)
書籍(文芸書、文庫、新書、実用書、文学・歴史・美術全集)
辞典、児童書、コミック等の出版
代表者代表取締役社長 廣野眞一
社員数社員数 766名(男性426名・女性340名)2020年7月21日現在
本社所在地〒101-8050 東京都千代田区一ツ橋2-5-10

資本金は1億ほどで、売り上げ高は1529億400万円、純利益 209億4000万円(ともに2020年5月期)。悪くない数字ですが、およそ20年前の第61期(2001年6月1日 – 2002年5月31日)が1446億1600万円だったのに、3年ほど前の第77期(2017年6月1日 – 2018年5月31日)には、1164億9700万円まで下がっていました。ここ3年ほどで盛り返してきているようです。

新卒の募集職種は大別して6種

雑誌編集、書籍編集、デジタル・通販、版権、営業、管理の6つに分かれています。職種ごとに若手・先輩社員の紹介が掲載されていて、具体的に仕事の内容がイメージできそうです。

担当編集者座談会とは

「大ヒット作の秘話多数!『鬼滅の刃』歴代担当編集者がそれぞれの思考を語り合う。」と題した特別企画は、吾峠呼世晴先生の初代、5代、6代担当編集者による鼎談です。

既に複数のメディアで語られていますが、吾峠先生が「週刊少年ジャンプ」の「JUMPトレジャー新人マンガ賞」に応募して佳作を獲られた話から始まり、連載にいたるまでの過程で担当編集者が吾峠先生にどういうアドバイスをしたのか、どういう質問が編集者にぶつけられたのかといった具体的な話から、編集者と作家がどういう接し方をするのか、編集者がどう考えてどう行動しているのかといった一般論(体験談)まで、幅広く紹介されています。

管理人もこの鼎談を読んでいくつものポイントで「なるほど」と思ったのですが、ちょっとだけ紹介すると……

高野:僕が思う吾峠先生のすごさは、圧倒的な思考の質量ですね。吾峠先生は感覚やセンスで描かれるタイプと思っている方も多いと思いますし、実際に天才的なセンスもあります。しかしそのうえで、「それをどう人に伝えるか」をものすごく考えているんですよ。打合せで「ここまで考えるのが作家なんだ」と驚かされました。浅井くんに近いですが、アーティストというよりアスリートという印象です

大西:吾峠先生に限りませんが、作家さんは意外と自分の良さに気づいていないことが多くて、例えばスポーツマンガに向いているのに、ファンタジー設定のものばかり描いてしまったり、カワイイ女の子を描けるのに、ヒロインがまったく出てこなかったりします。吾峠先生の場合だと、僕は先生の一番の武器は台詞やキャラの面白さだと思っていたので、たとえばバトルシーンでは、常にキャラに敵と会話をしながら戦って欲しい、という要望を出したりしていました。

大西:マンガのアドバイスをすることもありますが、いつも言うのは「僕が言っていることは唯一の正解ではなく、あくまでひとつのやり方に過ぎない。だから参考になると思ったら使えばいいし、そう思わなければ使わなくていい」ということです。マンガの正解はひとつではないうえに瞬間瞬間に変化していく。だから先輩の言うことを聞き過ぎるのは絶対によくないんです。他人の言うことは、あくまで参考にとどめて、正解は自分自身で見つけていって欲しいと思っています。ジャンプでは昔からいい意味で「上の言うことを聞いちゃ駄目」という文化がありますね。

大西:「この能力があればOK!」みたいな唯一の正解があるわけではないと思います。 ジャンプの編集者のタイプもみんなバラバラで「マンガを大量に読み込んでいて知識が膨大にある」、「お喋りが上手で話が面白い」「前向きな性格でいつも元気づけてくれる」「細かな部分に気を遣ってくれる」など様々です。 ただ共通して言えるのは、作家さんと良好な関係を築けなければならないということです。作家さんも一人の人間なので、いくら正しい理論を言われたところで、その編集者のことを嫌いだったら、話なんて聞いてくれません(笑)。

高野:ジャンプは、最大の商業誌でもあるので、読者の視点を見失わないことですね。自分たちをクリエイターだと思ってしまうと、絶対に失敗します。

高野:「相手を褒める能力を持つ」「自分自身に過剰な自信を持たない」あとはインプットを多くするのは当たり前なので、「いろいろなメディアに触れる」ですね。

浅井:編集者は、面白くするためにどうするかを作家さんにアドバイスしなければならないので、この面白さはどこからきて、どうすれば再現できるのか、それを具体的な言葉にできたほうがいいです。

以上、これでもごく一部です。漫画編集者を志す人だけでなく、編集者・エディターやコンテンツの制作に関わる人にとって大変参考になる言葉が多いので、是非読んでみていただきたいと思います。

鬼滅の刃✕新卒採用のコンテンツはまだ追加される様子

『鬼滅の刃』大ブームを支えた社員たち」というコンテンツが「Coming Soon」となっているので、まだコンテンツは追加されるようです。集英社に入りたい人だけでなく、鬼滅ファンの多くも待ち遠しいと感じるのではないでしょうか。

集英社は中途採用の求人も出している

今回紹介したコンテンツは新卒求人向けのものですが、集英社は中途採用の求人も出しているようです。募集は全8職種で、「編集者」はないですが、「Webサービスマネージャー」「デジタルメディアプロデューサー(女性誌)」などでは編集経験が活かせるかもしれません。

集英社 経験者採用 正社員
2021年2月中旬入社予定の経験者採用情報です。 募集職種は「プロジェクトマネージャー(デジタル事業)」「WEBサービスマネージャー」「デジタルメディアプロデューサー(女性誌)」「デジタル広告(運用プロデュース/企画営業推進)」「社内ICTコンダクター(情報システム)」「ゲームプロデューサー」「ライツ」「経理・総務」の...
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