新卒で入れなくても大手出版社に就職する方法

大手出版社 オピニオン
各社Webサイトより

編集者になりたい人が誰でも考えるのは、出版社に入ることでしょう。特に学生さんであれば、自分が読んでいる本や雑誌を出している大手出版社への入社を目指して就活をするのではないでしょうか。でもかなり狭き門です。果たしてどうすれば大手出版社に入れるのでしょうか。

大手出版社の新卒採用数は?

人気の集英社のここ数年の新卒採用数は16人前後です。講談社は20人強。小学館は20人もいません。文藝春秋は若干名とありました。

この業種は少ないほうだと言えそうです。

たとえば就職人気ランキングの上位の商社。昨年夏に東洋経済で発表されていたランキングで1位とされた伊藤忠商事は130人前後採用しています。三菱商事もそれくらいです。理系人気ナンバーワンだったソニーは全体で300人くらいで、うち技術職が200人との情報がありました。メガバンクにいたっては、かなり減らしてきているにもかかわらず400人以上採用します。

またIT系ではサイバーエージェントは200人程度採用しているようです。

これらの業界・企業と比べて出版社、特に有名な大手出版社に新卒で入るのは至難の業といえそうです。

そもそも社員数が少ない

新卒の採用者が少ないもの当然で、そもそも社員・従業員数が少ないのです。

たとえば伊藤忠は4000人以上、三菱商事は単体で5000人以上、連結だと8万人以上。三菱UFJ銀行も2019年3月現在の数字で3万3000人です。

これに対して出版社はどうでしょうか。集英社は700人程度、講談社も小学館も1000人もいません。文藝春秋は500人もいませんし、河出書房新社は200人もいません。

そう聞くと、新卒採用が十数人でもおかしくないと言えそうです。

直接行けないならどうするか?

タイトルで「新卒で入れなくても」としたように、今回は、「どうやって新卒で入るか」を考察する記事ではありません。だからSPIや小論文・面接対策についてまとめるわけではありません。

新卒で行けないなら転職・第二新卒での就職を目指す

結論としては、新卒でなく転職・第二新卒での就職を目指す方法があると思います。

「え、転職なら簡単なの?」

と思われたかもしれませんが、そうではありません。たしかに転職でも入社は簡単ではありません。そもそも中途採用については定期的にやっていなかったり、数字を公開していなかったりします。おそらく学生さんでも行きたいと考えるような出版社であれば、時々若干名の採用をしている、という程度でしょう。

それでも、「学生の時に新卒で入る」のではなく「社会人になってから改めて目指す」という方法・道は可能性が十分あると思います。

なぜかというと、多くの社会人が日々の仕事に忙殺されて、学生の時に果たせなかった夢を実現するための努力をいつの間にか止めてしまうからです。くっそ忙しい中で、あらためて出版社(それも大手・有名どころ)に入るためにはそれなりの努力が必要ですし、「本当にその出版社に入りたい」という気持ちが必要です。ほとんどの人にはそれがない(続かない)と思います。

社会人になってから出版社に転職するには 4つ選択肢から考える

それでは、どうやって努力すればいいのでしょうか。大きく4つの選択肢を考えたいと思います。

選択肢1 大手出版社にバイトで入る
選択肢2 中小出版社に(営業で)入る
選択肢3 違う仕事をしながら編集の学校に通う
選択肢4 編集プロダクションに入る

選択肢1 大手出版社にバイトで入る

これは多くの人が考える道かもしれませんね。実際に、バイトで入って頑張って、社員になるというケースはなくはないようです。

しかし、必ずしもバイト(非正規雇用)→社員(正規雇用)というルートが確立されているとは言いがたいと思います。

そもそも出版社が、あれだけの点数の刊行物を出しているのに社員が少ないのは、社員以外のリソースを使うのがうまいからです。ライター、漫画家、フォトグラファー、デザイナーなどは社員でないことが多いわけです。

ですから、わざわざバイトとして雇用した人を社員にするインセンティブは働かないと思います。

選択肢2 中小出版社に(営業で)入る

この方法もあります。これは管理人・うらが知っている中でも数名います。編集者であっても営業はできたほうがいいですから、他社で書店営業などを経験した人を採用する出版社はあります。

ただ大手の出版社に入るということであれば、営業経験はマイナスにはならないまでも、決め手になるほどの材料とは言えないと思います。この場合、編集の学校に行くとか、自主制作・同人活動などをして編集・制作への意欲を見せるとともに実力も高めておいたほうがいいでしょう。

選択肢3 違う仕事をしながら編集の学校に通う

3つ目の選択肢は、出版業界とは違う業界で働きながら編集の学校に通うというものです。このルートについては、管理人の周りだけの話かもしれませんが、あまり聞きません。

ただ、学校はあくまで学校です。学生レベルでいいものを作っても、転職活動でどれだけプラスに働くかは不透明です。強い根拠があるわけではありませんが、あまり期待できないのではないかと思います。

選択肢2でも学校に通うということを勧めましたが、これは「映画学校に通ったら映画がつくれるようになるわけではない」ということと同じでしょう。いや、映画学校に通った人の中からもいい映画監督は生まれるでしょうが。芸人も漫画家も同じではないでしょうか。学校に通おうが通うまいが、いいものを作る人、面白い人は見初められます。

ただ、基本的な知識や業界のお作法について知っておいて困ることはないでしょう。学校に行く余裕があって、いい学校(自分に合う学校、すごいと認めている編集者が教えてくれる学校)と出合ったら、通ってもいいのではないでしょうか。

とはいえ、このルートで大手に入るのはなかなか難しそうです。

選択肢4 編集プロダクションに入る

最後が編プロに入る、というものです。実はこのルートが一番よいと思います。

編集プロダクションは、出版社から雑誌や書籍の中身の制作を受託して作っています。このため、所属は小さい編プロだけど、大手の有名誌をつくっている、という編集者はいます。

もちろん編プロもいろいろですから、大手出版社の仕事ができるところばかりではありません。ですが、雑誌や書籍の実際の制作に仕事として携われるのは大きいです。お金を払って学校に行くのとは違ったリアリティがあります。

編プロはどこも忙しいですから、なかなか転職活動の準備は大変かもしれません。しかし、そこでの仕事そのものが自分の編集者としての教育過程であり、スキルアップの道です。将来、入りたい出版社があって、そこでやりたい仕事があるなら、現在の仕事の中でどうやったら転職活動でアピールする材料にできるかを考えて試行錯誤すればいいわけですし、それはきっと楽しいのではないでしょうか。

大手出版社の中途採用は「経験者採用」であることが多いので、その意味でも、実際に編集・制作を仕事として経験しておいたほうがいいです。

本当にその大手出版社に入りたいのか?

いくつかの選択肢を比較して、新卒で出版社に入れなかったらまず編プロに入るという道がいいのではないか、という提案をしました。

上でも触れましたが、新卒の就活で不本意な結果になった人の多くが「転職してやる!」と息巻くのですが、やはりその多くが日々の忙しさにその気持ちを忘れてしまい、ズルズルとその会社に残り続けます。

いや、不本意ながら入った会社であっても、そこで出合った仕事・会社が自分に合っているなら、無理に転職する必要はありません。

そもそも学生時代に「出版社に入りたい」と思っていたとしても、社会人経験のない若者の根拠のない憧れに過ぎないかもしれません。それが本当に自分のしたいこと、合っていることなのかは分かりません。「出版社に入りたい」のか「編集者になりたい」のかすらハッキリしないままに「出版社に入りたい」と考えていただけかもしれません(それはそれで構わないのですが)。

編プロに入って編集・制作活動に従事することで、それが自分のやりたいこと、自分が得意なことなのかも分かります。もし違っているようなら、出版社ではないところをめざして転職活動をすべきかもしれません。

それに気づくためにも、まずは編集プロダクションに入って、仕事として編集・制作をやって経験値を積み、その中で「自分ならこの大手出版社でこんな仕事がしたい」という目標をハッキリと持ち、できれば企画なんかも考えて、経験者として採用試験に臨むのがいいと思います。

ちょっとでも「なるほど」「そういうこともあるかもね」と思われたらクリックお願いします!
タイトルとURLをコピーしました