編集者の仕事とは 大切にすべきことは何か【企画から取材、インタビュー、修正、完成後まで】

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チョコラテ / 写真AC

編集者の仕事と聞いてどんなイメージを持つでしょうか。「漫画家に原稿を催促する」「作家の缶ヅメに付き合う」……編集者といってもいろいろなのですが、今回は雑誌やWebメディアを中心に編集者の仕事を整理してみました。

編集者は何でも屋 ただし何でも(やっていい)屋であって、何でも(やらされ)屋ではない

まず「編集者の仕事はここからここまで」という明確な定義はありません。たとえば自分で原稿を書く人もいれば(編集ライター)、原稿を書かないどころか自分で直さない人もいます。

企画を自分でつくるのが得意な人もいれば、企画をつくるのは苦手だけど、割り当てられた仕事を豊富なネットワークや、うまく人を動かすことで完遂しちゃう人もいます。

とはいえ「編集者は何でもやります」では参考にならないので、「何でも」に入る内容を一つずつ見てましょう。

編集者の仕事1 企画する

おおむね時系列に紹介したいと思います。まず企画するところから始まります。自分が担当しているメディアで実現したい企画です。特集にどんな記事を載せるのか、連載で担当ライター・作家に何を書いてもらうか。何を載せるのかを決めるのが編集者です(正確に言うと決めるのは編集長ですが)。

大切なこと ネタ集め・企画になっているかどうかの判断がつくこと

そして当然、企画をつくるために日頃からネタを集めておかなければいけません。ここで注意したい点ですが、「企画になってない」ネタを出してくる編集者がいます。「何が企画になるか」が分かるかどうかがいい編集者かどうかの一つの分かれ目です。

編集者の仕事2 ライターやカメラなどを決めて動かす

企画が決まったら、誰に書いてもらうか、誰に撮ってもらうかなどを決めます。いつも仲がいい人に任せる人もいれば、企画や内容によって変える人もいます。

大切なこと いろんなライター・カメラを抱えておくこと

このため、なるべく多くのライターやフォログラファーを知っておいたほうがいいです。「知っている」というのは、「仕事がお願いできる関係をつくっている」ということです。

編集者の仕事3 取材する(資料収集・インタビュー依頼・同行)

企画を進めるにあたってたいてい取材が必要です。著名人へのインタビューだったり、専門家に知見を聞いたりするわけです。また資料にあたることもあるので、資料を集めたりすることもあります。

大切なこと 取材依頼がうまい

聞き取り取材やインタビューは必ずしも受けてもらえるとは限りません。ギャラの有無や露出することもメリットがなければ先方は受けてくれません。そこで企画の重要性や大義、先方のメリットなどをしっかりとらえて取材をお願いし、「それなら受けてもいいか」と思ってもらえるようにすることが欠かせません。取材依頼状の書き方もうまくなっておいたほうがいい。

編集者の仕事4 調べる・ライターのアシストをする

これは「取材する」の過程とカブりますが、もうちょっと雑用めいた内容も含みます。私自身はライターの雑用はしてこなかったですが、大御所のライター・作家に仕事をお願いする時は、そうしたことが重要だったりします。

大切なこと いかにいい気分で書かせるかに腐心する(締切は守らせつつ)

場合によっては差し入れしたり、ということも含めて、いい気持ちで働いてもらうことも大切です。フォトグラファーを載せたりですね。

一方で、厳しくして納期はしっかり守らせることも欠かせません。

編集者の仕事5 原稿の直し・フィードバック

実際に原稿が来たらフィードバック・赤入れをします。書き直してもらうこともあれば、自分で書き直しちゃうこともあります。

大切なこと 具体的な指示を出すこと

これは原稿を直す段階に限らず、書かせる前にも重要ですが、企画の主旨をしっかりとライターに理解してもらい、取材で集めた情報の整理が間違った方向に行かないよう、具体的な指示をすることが大事です。当然、原稿が来た時も「こうじゃないんだよな」ではなくて「この表現だとこういう誤解をされるので、この段落にこういう要素が必要」といったような修正指示をすべきです。

編集者の仕事6 デザイナー指示・ゲラチェック

原稿ができたらレイアウトをしてもらい、間違いがないか、抜け漏れはないか、事前に想定していたイメージとの違いはないか、もしあったらどう変えればいいかなどをチェックします。

大切なこと デザイナーへの指示も具体的に しかし 直し方は任せること

デザイナーに直しを出す時にも指示は具体的であるべきですが、しかし「このフォントを変えてくれ」「この写真を小さくしてくれ」といった指示はダメです。それを考えるのはデザイナーの仕事です。「この文字を目立たせて欲しい(なぜなら)」「この写真が目立ちすぎている(なぜなら)」ということを伝えて、「フォントを変えるのか文字サイズを変えるのか」や「写真を目立たなくするために写真を小さくするのか、あしらいをかえて目立たなくするのか」というデザイン的なお作法についてはデザイナーにゆだねることです。

デザイナーはオペレーターではありません。

編集者の仕事7 企画の報告

最後に企画が完成し、形になったら関係各位に報告します。Web記事ならURLを伝えるし、雑誌や書籍など見本を送ります。

大切なこと お礼の気持ちを伝えて「次回あったらまた取材を受けたい」と思わせる

定期刊行の雑誌では見本誌の送付が多く大変だったりします。WebメディアでもURLを伝えるだけとはいっても意外と面倒だったりします。

しかしこの最後の報告をしっかりとやって、さらにお礼の気持を伝えることが大切です。また取材などでお世話になるかもしれないからです。

コミュニケーションで手を抜いてはいけない理由

取材を受けるような個人・法人は、たいてい別のメディアからも取材を受けています。これはつまり、自分が同業者やライバル編集者・ライターと比べられるということです。もし自分が「もうここには取材をお願いしないな」と思っても、同じ会社、同じ編集部の誰かがお世話になるかもしれません。それはライターやフォトグラファーも同じです。

「仕事というものは手を抜いてはいけないのだ」という一般論への賛否はおいておくとして、関わった人にはまたいつか何かでお世話になるかもしれない、と考え、関係・コミュニケーションは大切にしなければいけないと思います。

筆者が記者だった時、先輩に「クレームや意味不明な電話があっても、その電話口の相手の後ろには何百人、何千人の読者がいると思え」と言われ、対応をおろそかにしないよう指導されました。そういうことだと思います。

編集者の仕事 やり方は人それぞれ

一通り触れるように書き出してまとめましたが、書ききれなかった仕事も結構あります。ただ何人かの編集者を思い出して気づくのは、「みんなやり方が違う」ということです。自分の持ち味・得意分野を知って、それを活かし、不得意な分野はうまく周りを巻き込んで(無理やりでなく)動かすことができる編集者がいい仕事をしているように思います。

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